にっき本文

年が明けてうかうかしていたら歳も増えて 252^5 歳になっており、うろたえるばかりの日々、みなさん如何おすごしでしょうか。 最近は手の皮膚が盛大にいってしまっていたんですが、シャワーに加えて週二回湯船にゆっくり浸かるようにしたら気持ち改善しています。 ただの湯ではなくて、百年前によいときいた BARTH を入れてやっています:

画像がうまくでてないけど気にしないでください(Amazon が画像リンクを廃止しやがったのを騙し騙し出してるので、場合によって出なくなった……)。 15分ゆっくりつかることを要求しており、なにもしないで15分を過ごすのはたいへんなので、最近はうたを唄いながらつかっています。 そういえばこのにっきはうたにっきでもあった。今日はこれらをうたいました:

  • 椎名林檎「おだいじに」

  • 椎名林檎「やつつけ仕事 〜大名遊ビ編〜」

  • ウルフルズ「いいたい事はそれだけ」

  • Chet Baker “Someone to Watch over Me”

  • A.R.B.「灰色の水曜日」

あと、台所を盛大に掃除しました。容量が倍くらいになった。よかったですね。

スカッと故事成語

あと、Twitter をやっていて故事成語に出てくる奴って道徳的にヤな奴か説教臭くてヤな奴しかいないのでスカッとさせたら今の日本に受け容れられやすいのではないかと気付いたので、幾つかスカッとさせた故事成語を置いておきます。

スカッと故事成語「蛇足」

楚の偉いお坊さんが、使用人たちに盃一杯の酒を渡した。しかし、全員で呑むにはちょっと量が足りない。そこで、一番はやく蛇の絵を描けた人間が賞品として総取りするということで話がまとまった。 まだみんなが頑張って描いているなか早速描き上げたひとりが盃を手にとり、周囲を馬鹿にしたようにニタニタしながらこう言った「早く描けたから足でも描いちゃお(笑)」。 そうして最初の奴が足を描き初めるのと入れ替わりに、もう一人絵を描き上げた奴がでてきて、最初の奴から盃をひったくってこういった。 「は?そもそも蛇に足とかないでしょ、なにやってんの?(笑)失格だしまだ描いてるなら俺の勝ちだね(笑)」

奪った盃に二番目の男が口をつけようとしたその刹那──美酒の香りに引き寄せられた巨大な毒蛇が音もなく現れ、最初と二番目の男を一瞬で丸呑みにした!

場を恐怖が支配したが、大蛇は満腹になったようですぐ去っていった。使用人たちは安心して、二人減って分量もちょうどよくなったし、ということで、盃の酒をみんなで分けて呑んだそうです。

スカッと故事成語「漁父の利」

ある日川辺で一匹の貝が殻を開いて日向ぼっこをしていると、そこに一羽の鳥がやってきて、貝の身を啄ばもうとした。 これはたまらんと貝は咄嗟に殻を閉じ、鳥の嘴をガッチリと咥え込んで離さないようにした。 鳥は睨みを利かせていう「殻を開かずに動かなければお前はカラカラに乾いて死んでしまうぞ」。 「そういうお前だって、このまま嘴を納めなければ何も喰えずに死ぬぞ」舐められてなるものかと思った貝も負けじと言い返す。 こんな調子で両者は睨み合ったまま一歩も動かず、心理戦を繰り広げていた。

『グフフ、これは稼ぎ時だぞ』そこに通りかかるものがいた。漁父である。漁父は、自分の利益さえあがれば何でもよいというタイプの悪辣な人間であった。この好機に北叟笑み、素早く持っていた投網とかなんかそういうやつで鳥と貝どちらも生け捕りにした。両者ともに死ぬ前だったので、高値で売り捌いたそうだ。 しかし、そこは禁漁区であったので売上金は総て村に没収され、また村の掟を破ったため漁父は村八分となり、残りの人生をただ一人で過すことになり、最期は極貧の中で看取るものもなく死んでいったそうです。

 * * *

「……ということが今朝ありました。陛下もこの轍を踏まれてはなりません。燕への侵攻、なにとぞご再考を……!」 「は?貝も鳥も喋んねえだろ。俺を馬鹿にしてんのか?お前、死罪ね」

こうして趙の王は生意気な家臣を処刑してスカッとした気分のまま意気揚々と燕へと攻め込んだ。実力相半ばする両国の戦争は長期戦となり、どちらも民は疲弊し国土は荒廃した。 その好機に目をつけた大国・秦は、仲裁を名目に趙・燕両国に進駐し、これを属国として事実上併合、戦争を始めた戦争犯罪人として趙の王は一族郎党もろとも大便に因んだ名前に改名させられた挙句、下水道に流されてしまったとらしいです。

スカッと故事成語「矛盾」

楚の国のラグビー部出身の商人が大道で盾と矛との公開販売会をしていた。とても調子がよく軽佻浮薄で、口のペラペラペラペラ回るやつで、賞品の武器を示して盛んに売らんかなを繰り広げている。 「この盾は最強の盾で、これを貫ける武器はこの世に存在しませんぜ」と盾を誇らしげに撫で回したかと思えば、「この矛はすごい。まじですごい。貫けないものはない究極の矛です。全ての矛好きに届けたい」などと恍惚の表情で矛の先端をペロペロと舐めている。 すると、通りかかりのメガネクンがニヤリと笑って商人にこう問うた。「その矛でその盾ついたらどうなるんすか?笑」

水を差された商人は一瞬ムッとしたが、すぐに営業スマイルを取り戻して、「いい質問ですねえ!」というと盾を先程のメガネクンに渡す。「これで胴体を守ってみてください」

「えっ?こうっすか?」と突然盾を渡されてキョドってしまったのがメガネクンの運の尽き。キョドった隙に商人は矛を一閃!メガネ君の頭部を一瞬でドーナッツにしてしまった。

「どうです?こんなに鋭い……」商人は残りの客への営業トークを最後まで喋り切ることができなかった。商人の蛮行に接し怒り心頭、暴徒となった村の人々が大挙して押し寄せ、商人を袋叩きにしてくしゃくしゃに潰してしまったからだ。 くしゃくしゃに潰された商人だったものは、馬に繋がれて村中を引き回された後、村人たちによって斬首され、村の入口に晒し首となったという。犠牲となったメガネクンの遺族の手により、商人の生首も矛で貫かれてドーナッツ状になっている。二回使用された矛は駄目になってしまい、品質に疑問を持った村の鍛冶屋が検めたところ、究極の矛どころか精々「すごく鋭い木の枝」程度で、盾もただの木の板だったことが判明するに及び消費者センターに通報、景品表示法違反で矛の製造業者は莫大な罰金と数々の訴訟により破産したということである。

あと、流石に村人達も野蛮すぎるということで問題視され、首謀者は車裂きまたはアイアンメイデンの刑に処され、村も中央政府により廃村、残りの住民たちも焼印を押されて別々の村に強制移住させられたそうです。