概要

強制法は集合論において様々な命題の無矛盾性を示すのに用いられる強力なツールです. 近年では強制法によってどんな宇宙を創り出せるのか?という集合論的多宇宙set-theoretic multiverse)や,逆に与えられた宇宙が,何らかの内部モデルの強制拡大になっているかを調べる集合論の地質学(set-theoretic geology)の研究が盛んになってきています.

このシリーズでは,後者の分野について基本定理を二つ紹介します.一つはLaver, Woodinらによって独立に証明され,Hamkinsら [1]が強化した基礎モデルの定義可能性定理であり,もう一つはつい最近薄葉さん  [2]によって証明された基礎モデルの下方有向性原理です.

シリーズ一覧はこちら:

  1. 概観と基礎モデルの定義可能性(今回)

  2. マントルの構造と下方有向性原理

  3. Bukovskýの定理──強制拡大の特徴付け

  4. 下方有向性原理の証明

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概観・集合論の地質学

Fuchs–Hamkins–Reitz  [1]で提案された集合論の地質学set-theoretic geology)は,与えられた集合論の宇宙VVがどんな内部モデルの強制拡大として得られるかを研究する分野である. 標語的ないいかたをすれば,

集合論の宇宙VVの基礎モデル全体は,強制拡大についてどんな順序構造を持ち得るか?

を研究するのが集合論の地質学である. 強制法の基礎については後ほど軽く復習するが,一応「基礎モデル」の定義を与えておく:

VVZF\mathrm{ZF}の推移的モデルとする.

  • MVM \subseteq VVV内部モデルdef\xLeftrightarrow{\mathrm{def}} MMVVの順序数を全て含む推移的モデルでMZFM \models \mathrm{ZF}.

  • MVM \subseteq VVV基礎モデルdef\xLeftrightarrow{\mathrm{def}} MMVVの内部モデルで,擬順序PM\mathbb{P} \in M(M,P)(M, \mathbb{P})-生成フィルターGVG \in Vが存在してV=M[G]V = M[G]となる. このときV=M[G]V = M[G]と書き,VVMMGGによる強制拡大と呼ぶ.

直感的にいえば,MMVVの基礎モデルである,あるいはVVMMの強制拡大である,といのは,VVPM\mathbb{P} \in Mが近似しているMM上の超越的なオブジェクトGGを持ちVVを含む最小の推移的モデルになっている事を意味する. 無矛盾性証明においてはVVを外側に拡張していく事を考えるが,集合論の地質学においては,「この宇宙はどんな基礎モデルの強制拡大になっているのか?」という問題からVVそのもの性質を探っていくことになる.

この問題を探るに当たり,最初に考えなくてはならないのは,基礎モデルは定義可能か?という事である. 実際,集合論の地質学の出発点となったのは,LaverとWoodinによって独立に示された次の定理である:

VVZFC\mathrm{ZFC}の推移的モデル,PV\mathbb{P} \in Vを擬順序,GG(V,P)(V, \mathbb{P})-生成フィルターとする. この時,V[G]V[G]においてVVに属するパラメータを使ってVVは一階の論理式で定義可能. 即ち,次を満たす論理式φ(x,y)\varphi(x, y)rVr \in Vが存在: V[G]V={x  |  φ(x,r)}.V[G] \models V = \left\{\: x \;\middle|\; \varphi(x, r) \:\right\}.

この結果は単に一つの強制拡大について述べているだけだが,後にFuchs–Hamkins–Reitzらによって全ての基礎モデルが一様に定義出来ることが明らかにされた:

VVZFC\mathrm{ZFC}のモデルとする. 次を満たす一階論理式φ(x,v)\varphi(x, v)が存在する:

  1. 任意のrVr \in Vの対し,Wr:={xV  |  φ(x,r)}W_r \mathrel{:=} \left\{\: x \in V \;\middle|\; \varphi(x, r) \:\right\}ZFC\mathrm{ZFC}を満たすVVの基礎モデルでrWrr \in W_r

  2. 任意のZFC\mathrm{ZFC}を満たす基礎モデルWVW \subseteq Vに対し,rWr \in WW=WrW = W_rとなる物が存在.

  3. VVPWr\mathbb{P} \in W_rなる(P,Wr)(\mathbb{P}, W_r)-生成フィルターGGによる強制拡大Wr[G]W_r[G]である”は(r,P,G)(r, \mathbb{P}, G)をパラメータとして定義可能.

  4. WrW_rの定義は下方絶対的:WrUVW_r \subseteq U \subseteq Vなる推移的モデルUZFCU \models \mathrm{ZFC}に対し,WrU=WrVW_r^U = W_r^V.

  5. WrW_rの定義は上方絶対的:rVV[G]r \in V \subseteq V[G]に対し,sVs \in VWr=WsV=WsV[G]W_r = W_s^V = W_s^{V[G]}となる物が存在.

これによって,「VVはいくつ基礎モデルを持つか?」といったような問題が考えられるようになる. 分析上自然に持ち上がる概念を次に定義する:

  1. WVW \subseteq V岩盤(bedrock) def\xLeftrightarrow{\mathrm{def}} WWVVの極小基礎モデル.

  2. WVW \subseteq V堅い岩盤(solid bedrock) def\xLeftrightarrow{\mathrm{def}} WWVVの最小の基礎モデル.

  3. VVの基礎モデル全体の共通部分をVVマントル(mantle)と呼びM\mathbb{M}で表す: M:=rWr.\mathbb{M} \mathrel{:=} \bigcap_r W_r.

  4. VVの全ての強制拡大の基礎モデルの共通部分gMg\mathbb{M}VV生成マントル(generic mantle)と呼ぶ: xgMdefPV1PxˇM˙V[G].x \in g\mathbb{M} \xLeftrightarrow{\mathrm{def}} \forall \mathbb{P} \in V \: \mathbb{1}_{\mathbb{P}} \Vdash\text{“}\check{x} \in \dot{\mathbb{M}}^{V[G]}\text{”}.

  5. VV集合個しか基礎モデルを持たないdef\xLeftrightarrow{\mathrm{def}} ある集合XXがあって,任意のrVr \in Vに対しrXr' \in XWr=WrW_r = W_{r'}となるものが存在する.

  6. VV真クラス個の基礎モデルを持つdef\xLeftrightarrow{\mathrm{def}} 上が不成立.

極端な仮説として次の公理を考えることが出来る:

基礎モデル公理GA\mathrm{GA}は次の主張である:

VVは真の基礎モデルを持たない.即ち,任意のrVr \in Vに対しWr=VW_r = V

特にGA    V\mathrm{GA} \iff \mathopen{\text{``}}VVVの(堅い)岩盤”     V=M\iff V = \mathbb{M}

直感的には,基礎モデル公理は,VVが極端に小さいか極端に大きいかのどちらかであることを意味している. 例えば,LLを最小のZF(C)\mathrm{ZF}(\mathrm{C})のモデルとすれば,当然LGAL \models \mathrm{GA} が成り立つ. しかし,宇宙の構造は豊かであればあるほどよい,という立場に立てば,VVLLから離れているほどよく,GA\mathrm{GA}はむしろ「VVは内部モデルから強制法で到達出来ないほど極端に離れている」という事を意図したものだと思える. たとえば,LLの情報をコードした00^\sharpという集合の存在を仮定すると,L[0]L[0^\sharp]GA\mathrm{GA}を満たすモデルになっている. これは直感的には,00^\sharpの持つ情報がLLからの強制拡大では得られないほど超越的なものであることによる.

上記で色々な定義をしたが,幾つか自然と湧き上がってくる疑問がある.

マントルM\mathbb{M}ZF\mathrm{ZF}ないしZFC\mathrm{ZFC}のモデルになるか?

生成マントルgMg\mathbb{M}とマントルM\mathbb{M}は一致するか?

VVは複数の岩盤を持ち得るか?

こうした問題は,次に掲げる基礎モデルの下方有向性仮説DDG\mathrm{DDG}および強い有向性仮説から解決出来ることはHamkinsら [1]によって指摘されていた:

VVZFC\mathrm{ZFC}のモデルとする.

  1. 基礎モデルの下方有向性仮説The Downward Directed Grounds hypothesis, DDG\mathrm{DDG})は次の主張:

    任意の基礎モデルW,WVW, W' \subset Vに対し,UWWU \subseteq W \cap W'となる基礎モデルUVU \subseteq Vが存在する.

  2. 強い下方有向性仮説(strong DDG\mathrm{DDG}, sDDG\mathrm{sDDG})とは次の主張である:

    任意の集合XXに対し,{Wr  |  rX}\left\{\: W_r \;\middle|\; r \in X \:\right\}の共通の基礎モデルが存在する.

  1. DDG\mathrm{DDG}が成り立つならMZF\mathbb{M} \models \mathrm{ZF}. sDDG\mathrm{sDDG}が成り立つならMZFC\mathbb{M} \models \mathrm{ZFC}.

  2. gMg\mathbb{M}は強制法で不変のクラス.

  3. VVの全ての強制拡大でDDG\mathrm{DDG}が成り立つならM=gM\mathbb{M} = g\mathbb{M}.

知られている内部モデルはDDG\mathrm{DDG}を満たすらしい事はFHRで指摘されていたが,流石にZFC\mathrm{ZFC}では証明出来ないだろうと考えられ,反例のモデルの研究がされていた. しかし,薄葉 [2]は強いDDG\mathrm{DDG}ZFC\mathrm{ZFC}の定理であることを示した:

ZFCsDDG\mathrm{ZFC} \vdash \mathrm{sDDG}.

これが集合論の地質学における二つめの基本定理である. この事から,上に掲げた問題は次のようにして解決されることになる:

  1. MZFC\mathbb{M} \models \mathrm{ZFC}, gM=Mg\mathbb{M} = \mathbb{M}.

  2. M\mathbb{M}は強制法で不変のクラス.

  3. VVは高々一つの岩盤しか持たない. より詳しく,次は全て同値になる:

    1. VVの任意の強制拡大V[G]V[G]に対し,V[G]V[G]の基礎モデルは「集合個」しかない.

    2. VVは集合個しか基礎モデルを持たない.

    3. M\mathbb{M}VVの任意の強制拡大の堅い岩盤.

    4. M\mathbb{M}VVの堅い岩盤.

    5. M\mathbb{M}VVの基礎モデル.

    6. VVは岩盤を持つ.

次の補題が必要になる:

GGVV上のB\mathbb{B}-生成フィルター,WZFCW \models \mathrm{ZFC}を推移的モデル,VWV[G]V \subseteq W \subseteq V[G]とする. このときB\mathbb{B}の完備部分Boole代数B0\mathbb{B}_0W=V[GB0]W = V[G \cap \mathbb{B}_0]となる物が存在し,更にV[G]V[G]WWの生成拡大となる.

Proof. (1), (2): 補題 1より.

(3): 1    2\href{\#item:gen-set-many-grounds}{1} \implies \href{\#item:set-many-grounds}{2}は明らか. 2    3\href{\#item:set-many-grounds}{2} \implies \href{\#item:gen-M-solid-ground}{3}: VVが集合個しか基礎モデルを持たないなら,sDDG\mathrm{sDDG}よりM\mathbb{M}VVの岩盤となる. このときVV[G]V \subseteq V[G]VVの強制拡大とすると, (1)よりMV=gMVV[G]\mathbb{M}^V = g\mathbb{M} \subseteq V \subseteq V[G]は強制拡大なので,M\mathbb{M}V[G]V[G]の基礎モデルである. 特にgMg\mathbb{M}の定義からM=gM\mathbb{M} = g\mathbb{M}V[G]V[G]の全ての基礎モデルの共通部分に含まれているから,特にgMg\mathbb{M}V[G]V[G]の堅い岩盤となる. 3    4    5    6\href{\#item:gen-M-solid-ground}{3} \implies \href{\#item:M-solid-ground}{4} \implies \href{\#item:M-is-ground}{5} \implies \href{\#item:V-has-bedrock}{6}は明らか.

6    5\href{\#item:V-has-bedrock}{6} \implies \href{\#item:M-is-ground}{5}WVW \subseteq VVVの岩盤とする. この時M=W\mathbb{M} = Wとなる事を示せばよい. MW\mathbb{M} \subseteq Wは明らかなのでWMW \subseteq \mathbb{M}を示す. もしMW\mathbb{M} \subsetneq Wなら,M\mathbb{M}の定義から基礎モデルWVW' \subseteq VxWWx \in W \setminus W'となるものが取れる. DDG\mathrm{DDG}よりW,WW, W'の共通の基礎モデルWˉWW\bar{W} \subseteq W \cap W'が取れるが,WWの極小性よりWˉ=W\bar{W} = Wとなり,xW=WˉWx \in W = \bar{W} \subseteq W'を得るが,これはxWx \notin W'に反する.

5    3\href{\#item:M-is-ground}{5} \implies \href{\#item:gen-M-solid-ground}{3}: M\mathbb{M}VVの基礎モデルだとする. この時VV[G]V \subseteq V[G]を任意の強制拡大とすれば,MVV[G]\mathbb{M}^V \subseteq V[G]V[G]V[G]の基礎モデルとなっている. ここで任意に基礎モデルWV[G]W \subseteq V[G]を取ってMW\mathbb{M} \subseteq Wとなる事が言えればよい. いまV[G]V[G]DDG\mathrm{DDG}が成り立つので,WˉWM\bar{W} \subseteq W \cap \mathbb{M}となる基礎モデルが取れる. このときWˉMV\bar{W} \subseteq \mathbb{M} \subseteq Vだから,特にWˉ\bar{W}VVの基礎モデルである. するとMV\mathbb{M}^Vの定義からMWˉW\mathbb{M} \subseteq \bar{W} \subseteq Wを得る.

3    1\href{\#item:gen-M-solid-ground}{3} \implies \href{\#item:gen-set-many-grounds}{1}V=M[H]V = \mathbb{M}[H]となるQM\mathbb{Q} \in \mathbb{M}(M,Q)(\mathbb{M}, \mathbb{Q})-生成フィルターHHを固定しておく. 任意にPV\mathbb{P} \in Vによる強制拡大VV[G]V \subseteq V[G]を取れば,M\mathbb{M}V[G]V[G]の堅い岩盤になっているので,任意の基礎モデルWV[G]W \subseteq V[G]についてMWV[G]\mathbb{M} \subseteq W \subseteq V[G]が成り立つ. 特にV[G]=M[HG]V[G] = \mathbb{M}[H \ast G]となっているから,MWM[HG]\mathbb{M} \subseteq W \subseteq \mathbb{M}[H \ast G]より事実 4からW=M[(HG)B0]W = \mathbb{M}[(H \ast G) \cap \mathbb{B}_0]となるようなB=B(QP)\mathbb{B} = \mathbb{B}(\mathbb{Q} \ast \mathbb{P})の完備部分代数B0\mathbb{B}_0が存在する. 特に,このようなB0\mathbb{B}_0は高々22QP2^{2^{\left|\mathbb{Q} \ast\mathbb{P}\right|}}-個しか存在しないので,V[G]V[G]の基礎モデルは高々集合個しか存在しない.

次回以降,最初の定義可能性の議論とsDDG\mathrm{sDDG}の証明を追い掛けていくことにする.

予備知識:5分でわかる強制法

5分ではわからない.わからないので,詳しくはKunen [3]などの教科書か,拙稿「Boole値モデルと強制法」参照のこと.

  • AP\mathcal{A} \subseteq \mathbb{P}反鎖def\xLeftrightarrow{\mathrm{def}}任意のa,bAa, b \in \mathcal{A}について,pa,bp \leq a, bとなるpPp \in \mathbb{P}が存在しない.

  • 擬順序P\mathbb{P}κ\kappa-c.c.を満たすdef\xLeftrightarrow{\mathrm{def}}任意の反鎖AP\mathcal{A} \subseteq \mathbb{P}の濃度はκ\kappa未満.

擬順序P\mathbb{P}κ\kappa-c.c. を持つなら,P\mathbb{P}κ\kappa以上の基数を保つ. 特にP\mathbb{P}P+|\mathbb{P}|^+以上の基数を全て保つ.

P\mathbb{P}κ\kappa-c.c. を満たすなら,任意のA[On]<κV[G]A \in [\mathord{\mathrm{On}}]^{<\kappa} \cap V[G]に対し,B[On]<κVB \in [\mathord{\mathrm{On}}]^{<\kappa} \cap VABA \subseteq Bを満たすものが存在する.

PV\mathbb{P} \in V, GG: (V,P)(V, \mathbb{P})-生成的,VUV[G]V \subseteq U \subseteq V[G], V,UZFCV, U \models \mathrm{ZFC}とする. このときB\mathbb{B}の完備部分代数B0B\mathbb{B}_0 \lessdot \mathbb{B}U=V[GB0]U = V[G \cap \mathbb{B}_0]となり,更にV[G]V[G]UUの強制拡大となる物が存在する.

基礎モデルの定義可能性

本節では前掲の定義可能性定理を示す:

VVZFC\mathrm{ZFC}のモデルとする. 次を満たす一階論理式φ(x,v)\varphi(x, v)が存在する:

  1. 任意のrVr \in Vの対し,Wr:={xV  |  φ(x,r)}W_r \mathrel{:=} \left\{\: x \in V \;\middle|\; \varphi(x, r) \:\right\}ZFC\mathrm{ZFC}を満たすVVの基礎モデルでrWrr \in W_r

  2. 任意のZFC\mathrm{ZFC}を満たす基礎モデルWVW \subseteq Vに対し,rWr \in WW=WrW = W_rとなる物が存在.

  3. VVPWr\mathbb{P} \in W_rなる(P,Wr)(\mathbb{P}, W_r)-生成フィルターGGによる強制拡大Wr[G]W_r[G]である”は(r,P,G)(r, \mathbb{P}, G)をパラメータとして定義可能.

  4. WrW_rの定義は下方絶対的:WrUVW_r \subseteq U \subseteq Vなる推移的モデルUZFCU \models \mathrm{ZFC}に対し,WrU=WrVW_r^U = W_r^V.

  5. WrW_rの定義は上方絶対的:rVV[G]r \in V \subseteq V[G]に対し,sVs \in VWr=WsV=WsV[G]W_r = W_s^V = W_s^{V[G]}となる物が存在.

これは次のような戦略で示される:

  1. VV[G]V \subseteq V[G]が強制拡大の時,VVV[G]V[G]に対して「良い性質」を持つ内部モデルとなる.

  2. 「良い性質」を持つ内部モデルには或る種の一意性が成り立つ.

  3. その一意性を使って「良い性質」を持つ内部モデルを列挙する.

  4. その中からZFC\mathrm{ZFC}を満たし基礎モデルになっている物だけを取り出す.

  5. 余ったパラメータで定義されるWrW_rVVを返すようにしておく.

その「良い性質」は次で与えられる:

以下WVW \subseteq Vを推移的モデル,κ\kappaVVにおける正則基数とする.

  1. WVW \subseteq Vκ\kappa-被覆性質κ\kappa-covering property; κ\kappa-CP)を満たすdef\xLeftrightarrow{\mathrm{def}}任意のx[W]<κVx \in [W]^{<\kappa} \cap Vに対し,y[W]<κWy \in [W]^{<\kappa} \cap Wxyx \subseteq yを満たすものが取れる.

  2. WVW \subseteq Vκ\kappa-近似性質κ\kappa-approximation property; κ\kappa-AP)を満たすdef\xLeftrightarrow{\mathrm{def}}任意のxP(W)Vx \in \mathop{\mathcal{P}}(W) \cap Vに対し,xyWx \cap y \in Wが任意のy[W]<κWy \in [W]^{<\kappa} \cap Wについて成り立つなら,xWx \in W.

  3. 正則基数δV\delta \in Vに対し,WWVVδ\delta-擬基礎モデル(pseudoground) def\xLeftrightarrow{\mathrm{def}} (δ+)V=(δ+)W(\delta^+)^V = (\delta^+)^WかつWVW \subseteq Vδ\delta-被覆性質およびδ\delta-近似性質を持つ.

  4. WWVV擬基礎モデルdef\xLeftrightarrow{\mathrm{def}}あるVVの正則基数δV\delta \in VがあってWWVVδ\delta-擬基礎モデル.

次の補題より,κ\kappa-被覆性質とκ\kappa-近似性質は順序数だけ考えればよい:

  1. VWV \subseteq Wκ\kappa-被覆性質を持つdef\xLeftrightarrow{\mathrm{def}}任意のx[On]<κVx \in [\mathord{\mathrm{On}}]^{<\kappa} \cap Vに対し,y[On]<κWy \in [\mathord{\mathrm{On}}]^{<\kappa} \cap Wxyx \subseteq yを満たすものが存在.

  2. VWV \subseteq Wκ\kappa-近似性質を持つdef\xLeftrightarrow{\mathrm{def}}任意のxPV(On)x \in \mathop{\mathcal{P}}^V(\mathord{\mathrm{On}})に対し,もしxyWx \cap y \in Wが任意のy[On]<κWy \in [\mathord{\mathrm{On}}]^{<\kappa} \cap Wについて成り立つなら,xWx \in W.

基礎モデルは擬基礎モデルになっている事は次の定理によってわかる1

P\mathbb{P}を擬順序,GG(V,P)(V, \mathbb{P})-生成フィルター,Pδ|\mathbb{P}| \leq \deltaとする. この時VVV[G]V[G]の擬基礎モデルとなる. 特に(δ++)V=(δ++)W(\delta^{++})^V = (\delta^{++})^Wであり,VWV \subseteq Wδ+\delta^+-被覆性質およびδ+\delta^+-近似性質を満たす.

Proof. Pδ|\mathbb{P}| \leq \deltaより補題 2からP\mathbb{P}δ+\delta^+以上の基数を全て保ち,特に(δ++)V=(δ++)W(\delta^{++})^V = (\delta^{++})^Wとなる. また,補題 3よりVV[G]V \subseteq V[G]δ+\delta^+-被覆性質を持つのも明らかである.

よって後はδ+\delta^+-近似性質を示せばよい. 対偶を取れば,AP(On)V[G]A \in \mathop{\mathcal{P}}(\mathord{\mathrm{On}}) \cap V[G]AVA \notin Vを満たすものを取って,h[On]δVh \in [\mathord{\mathrm{On}}]^{\leq \delta} \cap VAhVA \cap h \notin Vとなるものを探せばよい. そこでA˙P(On)V\Vdash \text{“}\dot{A} \in \mathop{\mathcal{P}}(\mathord{\mathrm{On}}) \setminus V\text{”}かつA˙G=A\dot{A}^G = AとなるA˙VP\dot{A} \in V^{\mathbb{P}}を固定する. Pδ|\mathbb{P}| \leq \deltaなのでP={pξ  |  ξ<δ}\mathbb{P} = \left\{\: p_\xi \;\middle|\; \xi < \delta \:\right\}によりP\mathbb{P}を列挙する. すると,各ξ\xiに対してpαA˙Vˇp_\alpha \Vdash \dot{A} \notin \check{V}よりpξ0,pξ1pξp_\xi^0, p_\xi^1 \leq p_\xiαξOn\alpha_\xi \in \mathord{\mathrm{On}}pξ0αˇξA˙p_\xi^0 \Vdash\text{“} \check{\alpha}_\xi \notin \dot{A}\text{”}かつpξ1αˇξA˙p_\xi^1 \Vdash \text{“}\check{\alpha}_\xi \in \dot{A}\text{”}を満たすものが取れる. もしなければ,pξp_\xiが任意のα\alphaに対しαA˙\alpha \in \dot{A}の真偽を決定してしまうので,A:={α  |  pξαˇA˙}A' \mathrel{:=} \left\{\: \alpha \;\middle|\; p_\xi \Vdash \text{“}\check{\alpha} \in \dot{A}\text{”} \:\right\}とおけばpξA˙=AˇVˇp_\xi \Vdash \text{“}\dot{A} = \check{A}' \in \check{V}\text{”}となり,A˙\dot{A}の取り方に反する.

そこでh:={αξ  |  ξ<δ}h \mathrel{:=} \left\{\: \alpha_\xi \;\middle|\; \xi < \delta \:\right\}とおけば,hV[On]δh \in V \cap [\mathord{\mathrm{On}}]^{\leq \delta}である. ここで,もしhAVh \cap A \in Vとすると,pξGp_\xi \in GzVz \in VpξhˇA˙=zˇp_\xi \Vdash \text{“}\check{h} \cap \dot{A} = \check{z}\text{”}となるものが取れる. しかし,取り方からpξ0,pξ1pξp_\xi^0, p_\xi^1 \leq p_\xiαξ\alpha_\xipξ0αξA˙p_\xi^0 \Vdash \alpha_\xi \notin \dot{A}かつpξ1αξA˙p_\xi^1 \Vdash \alpha_\xi \in \dot{A}を満たすものが必ずあり,この時hhの定義からpξ1αˇξzˇp_\xi^1 \Vdash \text{“}\check{\alpha}_\xi \in \check{z}\text{”}かつpξ0αˇξzˇp_\xi^0 \Vdash \text{“}\check{\alpha}_\xi \notin \check{z}\text{”}となる. するとΔ0\Delta_0-絶対性よりαξz\alpha_\xi \in zかつαξz\alpha_\xi \notin zとなるが,これは矛盾.

続いてこうした擬基礎モデルがきちんと定義出来ることを見よう. 上で宣言した通り,擬基礎モデルは一つのパラメータで完全に決定することが出来る. そのための議論に十分なZFC\mathrm{ZFC}の部分理論ZFCδκ\mathrm{ZFC}_\delta^{\leq \kappa}を定義する.

ZFCδ\mathrm{ZFC}_\delta^*の言語は述語記号\inに加え定数記号δ,λ\delta, \lambdaを持ち,公理は以下で与えられる.

  1. ZCPower\mathrm{ZC}-\mathrm{Power}:内包,対,和集合,無限,基礎,整列定理,

  2. δ\deltaは正則基数」,

  3. δ{\leq}\delta-置換公理:任意のf:δVf: \delta \to Vと集合AAに対し像f[A]f[A]が存在.

  4. κ{\leq}\kappa-冪集合公理:任意の集合AAに対し濃度δ\delta以下の部分集合全体からなる集合[A]κ[A]^{\leq\kappa}が存在.

  5. P(<κ2)\mathop{\mathcal{P}}({}^{<\kappa} {2})が存在する.

  6. 順序数コード公理:任意の集合AAは順序数α\alphaとその上の二項関係EEによりtrcl({A}),α,E\left\langle \mathop{\mathrm{trcl}}(\left\{ A \right\}), {\in} \right\rangle \simeq \left\langle \alpha, E \right\rangleの形でコード出来る.

また,ZFCκ:ZFCκκ+無制限の置換公理”\mathrm{ZFC}^{\leq\kappa} \mathrel{:\equiv} \text{“}\mathrm{ZFC}^{\leq\kappa}_\kappa + \text{無制限の置換公理}\text{”}ZFCδ:ZFCδδ+冪集合公理”\mathrm{ZFC}_\delta \mathrel{:\equiv} \text{“}\mathrm{ZFC}_\delta^{\leq\delta} + \text{冪集合公理}\text{”}と略記する.

  1. 「推移的集合MMZFCδκ\mathrm{ZFC}^{\leq\kappa}_\delta(またはZFCκ\mathrm{ZFC}^{\leq\kappa}ZFCδ\mathrm{ZFC}_\delta)を満たす」は一つの論理式で記述可能.

  2. χ\chiχ>2<δ\chi > 2^{<\delta}を満たす強極限基数でθ:=χ+\theta \mathrel{:=} \chi^+ならHχZFCδH_\chi \models \mathrm{ZFC}_{\delta}かつHθZFCδH_\theta \models \mathrm{ZFC}^{\leq\delta}.

  3. 順序数コード公理が与える(α,E)(\alpha, E)さえあれば,どの推移的モデルにおいてもXXは最大限として一意に復元される.

ZFC\mathrm{ZFC}ではなくその部分体系ZFCδκ\mathrm{ZFC}_\delta^{\leq\kappa}を考えるのは,次の一意性定理がZFC\mathrm{ZFC}で証明出来るからである:

κ>δ\kappa > \delta, W,W,VW, W', VZFCδδ\mathrm{ZFC}_\delta^{\leq\delta}の推移的モデルとし,W,WVW, W' \subseteq Vとする. WVW \subseteq V, WVW' \subseteq Vがそれぞれδ\delta-擬基礎モデルで(<δ2)W=(<δ2)W({}^{<\delta} {2})^W = ({}^{<\delta} {2})^{W'}が成り立つなら,W=WW = W'.

特に,ZFCδ\mathrm{ZFC}_\delta^*δ\delta-擬基礎モデルは(<δ2)({}^{<\delta} {2})の値によって一意に決定される.

Proof. まず最初に,δ\delta-近似性質から,PW(δ)=PW(δ)\mathop{\mathcal{P}}^W(\delta) = \mathop{\mathcal{P}}^{W'}(\delta)が成り立つことに注意する. また,擬基礎モデルの定義より(δ+)W=(δ+)V=(δ+)W(\delta^+)^W = (\delta^+)^V = (\delta^+)^{W'}となるので,「A<δ|A| < \delta」という論理式には(AAを点として持っていれば)曖昧性はない. 更に,δ\delta-被覆性質よりA=δ|A| = \deltaという表現も曖昧性を持たない.

上の注意より,WWWW'が同じ順序数の部分集合を持つことがわかれば良い. 特に,WWWW'が共にδ\delta-近似性質を満たすことから,[On]<δW=[On]<δW[\mathord{\mathrm{On}}]^{<\delta} \cap W = [\mathord{\mathrm{On}}]^{<\delta} \cap W'が示せれば良い.

まず,W,WW, W'両方で通用するような弱い被覆性質が成り立つ:

これを踏まえて[On]<δW=[On]<δW[\mathord{\mathrm{On}}]^{<\delta} \cap W = [\mathord{\mathrm{On}}]^{<\delta} \cap W'を示す. 特に対称性から[On]<δW[On]<δW[\mathord{\mathrm{On}}]^{<\delta} \cap W \subseteq [\mathord{\mathrm{On}}]^{<\delta} \cap W'が言えれば逆も同様になる. そこでA[On]<δA \in [\mathord{\mathrm{On}}]^{<\delta}を任意に固定する. 上の主張から,B[On]δWWB \in [\mathord{\mathrm{On}}]^{\leq \delta} \cap W \cap W'ABA \subseteq Bとなるものが取れる. 特に,otp(B)<δ+\mathop{\mathrm{otp}}(B) < \delta^+なので,二項関係wWw \in Wotp(δ,w)=otp(B,<)\mathop{\mathrm{otp}}(\delta, w) = \mathop{\mathrm{otp}}(B, {<})となる物が取れる. いまwδ×δw \subseteq \delta \times \deltaであり,δ\deltaの部分集合としてコードできるので,仮定よりPW(δ)=PW(δ)\mathop{\mathcal{P}}^W(\delta) = \mathop{\mathcal{P}}^{W'}(\delta)に注意すれば,wWw \in W'とできる. すると,wwBBの列挙B={bα  |  α<δ}B = \left\{\: b_\alpha \;\middle|\; \alpha < \delta' \:\right\}を誘導し,WW'δ\leq\delta-置換公理よりbα  |  α<δW\left\langle\: b_\alpha \; \middle|\; \alpha < \delta' \:\right\rangle \in W'となる. 一方,A={α<δ  |  bαA}A^* = \left\{\: \alpha < \delta' \;\middle|\; b_\alpha \in A \:\right\}WWで定義可能であり,再びPW(δ)=PW(δ)\mathop{\mathcal{P}}^W(\delta) = \mathop{\mathcal{P}}^{W'}(\delta)よりAWA^* \in W'を得る. 逆にAAAA^*bα  |  α<δ\left\langle\: b_\alpha \; \middle|\; \alpha < \delta' \:\right\rangleだけを用いて定義可能なので,AWA \in W'を得る.

以上から擬基礎モデルの定義可能性が従う:

WVW \subseteq Vδ\delta-擬基礎モデルなら,WWr:=(<δ2)Wr \mathrel{:=} ({}^{<\delta} {2})^Wをパラメータに使ってVVで定義可能.

Proof. xWx \in Wは「十分大きなθ\thetaについてxHθWx \in H_\theta \cap W」というのと同値だが,上の定理 6よりHθWH_\theta \cap Wr=(<δ2)Wr = ({}^{<\delta} {2})^Wによって一意に定まる. そこで次のように書いてやれば良い: xW    θδMHθ{θ>2δ:正則非可算,(<δ2)M=r,(δ+)M=(δ+)V,xMZFCδδ:transitive,MHθhasδ-AP and δ-CP.\begin{aligned} x \in W \iff \exists \theta \gg \delta\: &\exists M \subseteq H_\theta\\ &\begin{cases} \theta > 2^{\delta}: \text{正則非可算}, ({}^{<\delta} {2})^M = r, (\delta^+)^M = (\delta^+)^V,\\ x \in M \models \mathrm{ZFC}_\delta^{\leq\delta}: \text{transitive},\\ M \subseteq H_\theta \mathrel{\text{has}} \delta\text{-AP} \text{ and } \delta\text{-CP}. \end{cases} \end{aligned}

論理式ψ(x,y)\psi(x, y)で,任意のクラスWWに対して次を満たすものが存在: rV[W={x  |  φ(x,r)}]    W は V の擬基礎モデルで rW.\exists r \in V \: \left[W = \left\{\: x \;\middle|\; \varphi(x, r) \:\right\}\right] \iff W\text{ は }V\text{ の擬基礎モデルで }r \in W.

Proof. r=(<δ2)Mr = ({}^{<\delta} {2})^Mの形になっていなければVVの元にして,それ以外なら上のMMを返す.

よって,あとは{(x,r)  |  ψ(x,r)}\left\{\: (x, r) \;\middle|\; \psi(x, r) \:\right\}の中からZFC\mathrm{ZFC}のモデルでVVの基礎モデルになっているものだけ見付けてくれば良い. それには,次の事実を使えばよい:

推移的部分モデルMVM \subseteq VがGödel演算で閉じ,概宇宙的であるならMMZF\mathrm{ZF}の内部モデルとなる. 但し,MMが概宇宙的であるとはxP(M)Vx \in \mathop{\mathcal{P}}(M) \cap VならxyMx \subseteq y \in Mなるyyが取れることであり,Gödel演算は対や積,射影,順序入れ換えなどなんか良い感じの定義可能な集合演算10個のことである.

Proof. See Jech [5, Theorem 13.9].

つまり,定義可能な基本集合演算で閉じていて,内包公理の候補を絞ってくれる集合が取れるならZF\mathrm{ZF}が成り立つ,という訳である. ZFC\mathrm{ZFC}のモデルになっているかは,これに加えて選択公理が成り立つかどうかだけチェックすればよい. 基礎モデルであるかも,単にVVMMにある擬順序による強制拡大になっているか書けばいいだけだから,これらは全て一階の論理式で書ける. よって,定義可能性定理が従う.

Proof of Uniform Definability of Grounds. 上の議論からW={(x,r)  |  φ(x,r)}W = \left\{\: (x, r) \;\middle|\; \varphi(x, r) \:\right\}(1)(3)の性質を満たすように取れるのは明らか. 問題は絶対性に関する(4), (5).

まず(4)について. WrUVW_r \subsetneq U \subsetneq Vの場合だけ考えればよい. この時,WrW_rにおける完備Boole代数BWr\mathbb{B} \in W_r(Wr,B)(W_r, \mathbb{B})-生成フィルターGGWr[G]=VW_r[G] = Vとなる物を取る. δ:=B\delta \mathrel{:=} |\mathbb{B}|とおいてrrを適宜取り直せば,r=(<δ2)Wrr = ({}^{<\delta} {2})^{W_r}として良い. このとき,中間拡大補題 4よりB0B\mathbb{B}_0 \lessdot \mathbb{B}U=Wr[GB0]U = W_r[G \cap \mathbb{B}_0]となるものが取れる. このときB0B=δ|\mathbb{B}_0| \leq |\mathbb{B}| = \deltaなのでWrUW_r \subseteq Uδ+\delta^+-擬基礎モデルになっている. よってWrV=WrUW_r^V = W_r^Uとなる.

(5)WrVV[G]W_r \subseteq V \subseteq V[G]とした時にV[G]V[G]WsV[G]=WrVW_s^{V[G]} = W_r^VとなるsWrs \in W_rを取れば,(4)から従う.

次回予告

次回sDDG\mathrm{sDDG}からの帰結について取り扱います. 特に,sDDG\mathrm{sDDG}からマントルM\mathbb{M}ZFC\mathrm{ZFC}のモデルとなることや,生成多宇宙の構造が決まることを見ます.

参考文献

[1]
G. Fuchs, J. D. Hamkins, and J. Reitz, “Set-theoretic geology,” 18-Nov-2014. [Online]. Available: https://arxiv.org/abs/1107.4776.
[2]
T. Usuba, “The downward directed grounds hypothesis and very large cardinals,” 17-Jul-2017. [Online]. Available: https://arxiv.org/abs/1707.05132.
[3]
K. Kunen, Set theory, vol. 34. College Publications, 2011.
[4]
J. D. Hamkins and T. A. Johnstone, Indestructible strong unfoldability,” Notre Dame J. Formal Logic, vol. 51, no. 3, pp. 291–321, Jul. 2010.
[5]
T. Jech, Set theory: The third millennium edition, revised and expanded, 3rd ed. Springer-Verlag Berlin Heidelberg New York, 2002.
[6]
J. Reitz, The ground axiom,” J. Symbolic Logic, vol. 72, no. 4, pp. 1299–1317, Dec. 2007.

  1. 実際にはより一般に戦略閉性という性質を持つ順序との反復がδ+\delta^+-擬基礎モデルになることが示せる.詳細はHamkins–Johston  [4, Lemma 2.10]の証明を参照.↩︎


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